クライアントワークにおいて、ミーティングはさまざまなタイミングで発生します。
- 提案前のヒアリング
- 提案時のプレゼン
- 案件着手前の詳細ヒアリング
- 制作進行中の進捗報告や確認
このように、プロジェクトの各フェーズでミーティングは繰り返し行われますが、「どう立ち回ればいいのか分からない」「うまく進行できる自信がない」と悩む方も多い箇所ですね!
しかし実は、ミーティングでの立ち回りひとつで、プロジェクト全体の質やスムーズさが大きく変わります。
そこで今回は、制作の現場で役立つ「ミーティングの心構え」について、押さえておきたいポイントを整理していきましょう。
制作案件におけるミーティングはとにかく時間がたりない
意外に思われる方もいるかもしれませんが、制作案件のミーティングは、話すべきことが多く、想定以上に時間や回数がかさみがちです。
「1回話せば終わる」と思っていたのに、実際には何度も確認やすり合わせが発生する… というのは、現場ではよくあることです。
これは、Web制作という仕事が「決めること・伝えること・整理すること」の連続である以上、避けて通れない現象でもあります。
ミーティングで時間が足りなくなる主な理由を見ていきましょう。
1. 話したいこと・決めたいことが多すぎる
サイト制作には「デザイン・機能・構成・原稿・素材・スケジュール・費用」など、議題が非常に多岐にわたるため、1時間では到底足りないケースも多いです。
クライアントから想定外の追加要望や相談が出てきたり、つい話が脱線したりすることも…!
2. 「確認したいこと/話したいこと」が不明確
お互いの「確認したいこと/話したいこと」が明文化されていないと、ミーティング中に考える時間が発生してしまいます。
またミーティング時点で必要な資料(競合例、原稿、ロゴなど)が手元になく、話を前に進められず次回持ち越しになってしまうことも。
3. 専門用語やイメージの違いによるすれ違い
制作者とクライアントとでは、使う言葉やイメージが異なることがあります。
たとえば、クライアントが欲しいと思っている機能をうまく伝えられなかったり、「シンプル」という言葉ひとつとっても人によって解釈はさまざまだったりします、
こうした言語や感覚のズレをすり合わせるために、説明や確認の時間が想定より長くなってしまうことも、ミーティング時間が足りなくなる大きな要因のひとつです。
では、どうしたらこの時間が足りなくなりがちなミーティングを効率的に進められるのか。
その心構えについて確認していきましょう!
ミーティングでやるべきこと
ミーティングでやるべきことは大きく3軸あります。
- 情報の共有
- 合意・意思決定
- タスクの割り振り
たとえばヒアリングの場を、「クライアントから情報を引き出すためのもの」と捉えている方も多いかもしれません。
もちろんそれ自体は間違いではありませんが、それだけでは不十分です。
「意思決定を促すこと」「必要な情報をその場で依頼すること」まで視野に入れていないと、得られた情報が中途半端になり、結果としてプロジェクトの進行に遅れが出たり、完成物のクオリティに影響を及ぼしてしまうこともあります。
(そしてクライアントに何度もミーティングの時間を取らせてしまうのは理想的ではありませんよね)
制作をスムーズに進めるためには、「ただ話を聞く」だけでなく、その場で意思決定し、次のアクションを明確にすることが欠かせません。
「なんだか難しそう⋯」と感じるかもしれませんが、心持ちひとつで大きく変わってくる部分です!
『ミーティングの時間はとても貴重なもの』、まずはこの意識をしっかり持って、臨む姿勢を整えていきましょう👍️
先手先手で、意思決定とタスクを明確にする
案件を進めるうえで大切なのは、「できるだけ早い段階で、できることから決めていく」という姿勢です。
たとえば「素材は後で集めればいい」「デザインが出てから考えよう」といった“後回し”の判断が積み重なると、プロジェクト終盤で一気にタスクが押し寄せ、ミスや漏れの温床になってしまいます。
ではどうしたら先手先手で進行できるのか。
そのポイントは『目的意識』と『準備』にあります!
目的意識をもつことの重要性
ミーティングを有意義な時間にするかどうかは、コミュニケーションの節々に**『目的』**を意識できているかにかかっています。
具体的例で確認してみましょう👇️
提案時・制作時のヒアリングの違い
同じ「ヒアリング」というミーティングでも、フェーズによって目的や聞くべきことはまったく異なります。
提案時のヒアリング
この段階では、クライアントの抱える課題や要望を把握し、それに対する最適な提案を導くことが主な目的です。
- クライアントの実現したいこと(課題や悩み)
- ターゲットユーザー像
- 現在の成果が出ていない、更新がしづらい等)
- 予算やスケジュール感の確認
「クライアントが何を実現したいのか」という問いに対し「こちらはどんな手段をどのくらいの費用感で実現できるのか」という答えを出すために情報収集します。
また、信頼関係を築きつつ、「この人に任せたい」と思ってもらえるようなコミュニケーションも重要になってきます。
制作時のヒアリング
提案が通り、制作フェーズに入ったあとは、プロジェクトを具体的に進めるための情報収集の場になります。
- このページにはどんなテキストを入れるか
- 使用する写真・資料は揃っているか
- 管理画面で誰がどの部分を更新するのか
- UI・導線に関する詳細希望(ボタンの文言や順番など)
つまり、実制作に必要な要素を洗い出し、設計・進行へと落とし込む作業です。
この時点では“ふわっとした希望”ではなく、“具体的な指示・素材・仕様”が求められます。
このように、同じ「ヒアリング」でもフェーズが変われば役割も大きく変化します。
ミーティングに入る前に、「今の目的は何か?」をしっかり意識することが、無駄のない進行の第一歩です。
準備がミーティングの質を左右する
ミーティングの質は、その場のスキルよりも「事前準備」でほぼ決まるといっても過言ではありません。
- 話す内容をあらかじめ整理しておく
- 必要な資料を揃えておく
- 意思決定・依頼が必要な箇所を想定しておく
このような準備で、話し合いの質もスピードも大きく変わります。
その場で答えが出なさそうなことこそ、先回りして材料を揃えておくことがポイントです。
準備には、ただ「用意する」だけでなく、ゴールから逆算して何が必要かを見極める力も欠かせません。
だからこそ、この講座ではまず、既存サイトを構成からトレースし、「どんな成果物が求められているのか」を読み解く力を重視しています。
完成形を想像しながら要素を分解する練習は、ミーティングの精度も高める土台になります。
準備上手になるための第一歩として、まずは“構造を見抜く力”を育てていきましょう!
今回のまとめ
- ミーティングでやるべきこと
- 情報の共有
- 合意・意思決定
- タスクの割り振り
- 制作案件のミーティングはとにかく時間が足りない
- 先手先手で、意思決定とタスクを明確にしよう
- 目的意識と準備が重要
- 逆算できる力から身につけていこう
