Day10|ヒアリングの基本を学習しよう!

ロードマップ編の実践課題は、

  • 「ヒアリング」
  • 「要件定義・情報設計」
  • 「制作フェーズ」
  • 「納品」

以上の各段階で進行していきます。

今回からはヒアリングを実践していきましょう!

ヒアリングの実践ワークは以下の3つの課題をご用意しています。

ヒアリングの実践課題
  • 課題 1-1 「テキストベースで伺いたいことをメールで確認しよう!」
  • 課題 1-2 「ヒアリングに向けた準備をしよう!」
  • 課題 1-3「ヒアリングをしよう!」

課題を実践する前に、ヒアリングの基本を確認していきましょう☺️

目次

ヒアリングの基本を確認しよう!

01.ヒアリングでやるべきこと・ゴール

コラム「ミーティングの心構え」でも触れたように、ヒアリングの場もとにかく時間が足りません。

単に情報収集をすればよい訳ではないことをしっかり認識しておきましょう!

ヒアリングでやるべきことを整理すると以下の通りです!

ヒアリングでやるべきこと
  • サイト制作のための情報収集
  • 方向性の合意形成
  • 素材の依頼

ヒアリングでは「〇〇な方向性にしたい・XXな内容を盛り込みたい」など、サイトの内容についてクライアント・制作サイドの間の共通認識として合意を取っていく場でもあります。

また、クライアント側で用意してもらうべき写真やテキストなどがある場合、その場その場で依頼しておくことも重要です。

これらをしっかりやろうとすると時間が全然足りなくなってしまうこともしばしば。

だからこそ事前にヒアリングの準備をすることが非常に重要なのです…!!

今回はヒアリングを1回で行いますが、サイトの規模によっては2回3回と分けてじっくり回数を重ねることもあります。ですが、何回行う場合でもやるべきことは同じです!

02. ヒアリングの心構え

ヒアリングの目的が確認できたところで、次にヒアリングをする際に大切にしてほしいマインドを解説していきます。

逆算意識でヒアリングに臨む

トレーニング編で「設計図」の作成方法を学びました。設計図が出来たら、それを基にしてデザインとコーディングが進んでいきます。設計図が基になっているということはコンテンツ内容はそこで100%出ていますよね。

つまり、設計図の段階で出てきていないものはこの先新たに登場しません。

トレーニング編で設計図を作成した経験を基に、「この情報から次は設計していくんだ」という逆算的意識を持って臨みましょう!

逆算的なヒアリングは設計だけでなく、先方への素材依頼や確認事項など様々な箇所で重要な考え方です。何もかも完璧に逆算することはかなり難しいですが、意識するだけで全然違うので習慣化していきましょう!

クライアントにも自分事として認識してもらおう

ほとんどのクライアントはWebサイトを制作するフローを知りませんし、Webサイト制作に関しては素人です。なので、基本的には私たちがやっていることを分かっていないということを認識しておきましょう。

そしてこのような場合、多くは「プロに任せておけば大丈夫!」と思っているクライアントばかりです。その認識を変えないまま進めると、ありとあらゆる相談が発生したときに「分からないからいい感じにやっといてよ!」となりがちで、結果クライアントは「思ってたのと違う」と感じてしまいます。

『こちら側も勿論良いサイトになるよう尽力するが、より質をあげていくためにクライアントの協力が必要』と、自分ごととして認識してもらえるように努めるのが大事です!

また、制作フローを伝えるのも重要です。どの段階でどんな協力が必要か、この段階では何が行われているのか等はクライアントにとってブラックボックスにならないように必ずオープンにします。

いつ頃何をしなければいけないかの意識ができていることでクライアントも対応する準備ができますし、進捗が分かることで一緒に作る感覚も生まれやすくなります。

「大枠から具体へ」の流れを意識しよう

ヒアリングの際は「大枠から具体へ」という流れを意識しましょう。大きい話から細かい話、というイメージでOKです。

と言っても、話しながら考えるのは慣れるまで至難の業だと思うので、予め会話の順番を組み立ててからヒアリングに臨みましょう!

例えば、ヒアリングで以下の項目を聞くとします。

  1. Webサイトに入れたいコンテンツの内容
  2. Webサイト制作を検討した背景
  3. Webサイトで実現したいこと

これをこの順で聞いていくと話があっちこっちへ飛んで行っている感じがしませんか?

以下の順で組み直してみましょう。

  • Webサイト制作を検討した背景
  • Webサイトで実現したいこと
  • Webサイトに入れたいコンテンツの内容

これならどうでしょうか?

Webサイトを検討するに至った要因があって、それを基に何をWebサイトの目的にするかを整理し、目的達成に向けてコンテンツの内容を考えるという流れになっています。ぼんやり広い範囲のことから詳細な内容になるように意識して並べています。

こうすることで話が散らばりにくくなりますし、クライアント目線でも「何のために何を聞かれているか」が整理しやすくなります。

設計図の段階でもDay2~5の中で「広い部分からどんどん細かい情報へ進んでいく流れ」の解説をしました。このような流れは人間が理解したり入り込んだりしやすい構成で、あちこちに散らばる点を集めるよりも格段と理解するのが容易になります。

ヒアリングシートを活用しよう

クライアントサポートの特典としてヒアリングシートのテンプレートを用意しています!

【Template】ヒアリングシート※複製してご利用ください。

カリキュラムはこちらをベースに進行しますが、使いやすいようにカスタマイズしてもらってもちろんOKです👍️

ヒアリングシートの構成
  1. 事前情報
  2. 仮構成
  3. サイトの目的・ゴール
  4. サイト公開について
  5. 商品・サービス・事業について
  6. デザインイメージについて
  7. 素材・テキスト

テンプレートは上記の構成になっていて、事前情報と仮構成が「事前情報」のシートに、それ以外が「詳細ヒアリング」のシートに配置されています。

今回はまず「事前情報」のシートから確認していきましょう!

事前(ヒアリング前)の準備

事前情報と仮構成については、「ヒアリングミーティングの前にできるだけ準備をして臨みたい」という意図があります。

事前に情報をもらい、仮でも構成や記載する内容にあたりをつけておくことで、

  • リサーチをしてヒアリングに臨める
  • ヒアリングの時間短縮ができる
  • より濃い議論ができる
  • クライアントから高評価を得られる

といったようにメリットが盛りだくさんです!

(とはいえ、プロジェクトの流れはケースバイケースなので、準備が難しい場合もあります。理想を意識しつつ柔軟に対応できるとベストですね!)

事前情報の依頼

ミーティングが決まったら、以下のような情報を事前に共有してもらえるか打診してみましょう👇️

  • 種目
  • サイト制作の目的(促したい行動
  • ターゲット
  • 既存資料(商品・サービスの資料)
  • 競合する企業や商品・サービス
  • 予算感

クライアントに負担をかけないように「わかる範囲で構いません」と添えて依頼してあげましょう!

ターゲットについて

ターゲットの聞き方はちょっと工夫してあげることで、より良い回答を引き出せたりします!

20代・30代や男性など、ターゲットの属性的な情報も勿論よいのですが、『どんな人か』を聞けたほうが事業・サービスへの理解が一気に深まります。

  • 〜〜に悩みがある人
  • 〜〜に興味があり、情報収集している人
  • 〜〜をしたいと考えている人

このようなHOWに焦点をあてて聞けるとベターです!

【聞き方の例】
特に、ターゲットについてはより深く理解したい箇所なので「〜〜に悩みがある人」「〜〜に興味があり、情報収集している人」「〜〜をしたいと考えている人」のように『どんな人か』をお聞かせいただけるとありがたいです。

リサーチ

事前情報が揃ったらリサーチを開始しましょう。事前情報をもらうことができたら、それを読み込みつつリサーチして理解を深めます。

リサーチでは以下の点を押さえて調べていきましょう👇️

①職種・業界の流行や必須知識

クライアントの職種・業界に馴染みがない場合は特に、どういったサービスの形態なのか、クライアントの顧客はどんな人か、専門的な言葉など、その業界についてある程度分かる状況にしておきましょう。

この部分は生成AIが便利なのでガンガン活用しましょう!

②目的が近いWebサイトの導線・構成

こちらは業種・職種を限定せず、目的が同じ・近いであろうWebサイトをピックアップして導線や構成を観察します。実際に作成するWebサイトの設計図を作るために必要なリサーチになります。

クライアントが把握している競合のWebサイト

事前に聞けたらもちろん実際にチェックしましょう!

④デザインの参考サイト

①〜③を踏まえ、デザイン的にどんなイメージが良いかすり合わせるためにいくつか参考サイトをピックアップしておきましょう。実際のサイトがあることで、口頭のみで「〇〇な感じ・XXXな印象で〜」とやり取りするより、遥かに精度の高いすり合わせが可能です。

最初はリサーチにたくさんの時間がかかります。ですが、慣れていくと「前にも調べたことがあるな」「このアクションの設計は以前作ったな」という項目が経験値として溜まり、数をこなすごとにより速く、より深くリサーチできるようになっていきます👍️

仮構成

事前情報がある程度集められたら、叩き台として仮構成を考えてみましょう!

サイト設計シートのディレクトリマップを作るイメージでよいので、「こんな感じかな?」とまとめておくだけでも全然変わってきます。

ヒアリング前に仮構成を用意しておくことで、何もない状態から議論を始めるよりも、クライアントとの具体的な話が進みやすくなります。たたき台があることで、クライアントも意見を出しやすくなり、より質の高いヒアリングにつながります。

何より、構成を作ろうとする姿勢を事前に持つことで「あ、この情報欲しいな」「ここ深堀りするべきだな」と質問の精度が高まっていきます!

「しっかり準備してくれてる!」と、クライアントからの高評価も得られるポイントです✨️

事前準備のまとめ

ヒアリング事前準備のまとめです!

  • 事前情報の依頼
  • リサーチ
  • 仮構成

やることが多いようにも感じますが、入念な準備は進行をスムーズにしてくれます!

また「どのくらいリサーチすべき?」という質問をいただくことが多いですが、ひとつの目安として「ヒアリング当日、相手との会話を具体的にイメージできる」レベルを目指しましょう。

つまり、「この部分考えた(調べた)けど、わからなかったから聞きたいな」という感覚を全体通してもてると良いですね👍️

今回のまとめ

それでは今回のまとめです!

実践を踏まえて感覚を掴むことが大事なので、改めて振り返りつつ、実践ワークへ挑戦して行きましょう!

  • ヒアリングでやるべきこと
    • サイト制作のための情報収集
    • 方向性の合意形成
    • 素材の依頼
  • ヒアリングの心構え
    • 逆算意識でヒアリングに臨む
    • クライアントにも自分事として認識してもらおう
    • 「大枠から具体へ」の流れを意識しよう
  • 事前準備
    • 事前情報の依頼
    • リサーチ
    • 仮構成

課題1-1|テキストベースで伺いたいことをメールで確認しよう!

それではいよいよ実践課題のスタートです!

前回、課題の前提をお伝えしましたが、早速事前準備として、山田さんにヒアリング前に伺っておきたいことを確認するメッセージを送信しましょう!

その際にヒアリングの日程も一緒に調整してください。

以下内容を確認し、メッセージが作成できたら、担当メンターに実際に送信してOKです。

概要

前提

先日参加した「経営者交流会」にて、株式会社みらいわーくらぼの代表・山田優花さんと話が盛り上がりました。自社のWebサイトを持つメリットやデメリット等をしっかり話し込んだ上で依頼したいとお願いされました。

後日、オンラインで打ち合わせ(ヒアリング)の日程調整や簡易的なヒアリングのメールを送ることを伝えています。

交流会で既に得た情報

株式会社みらいわーくらぼは、周辺地域に住む方の独立・起業を応援する個別相談事業や起業に関するセミナー・イベントをおこなったり、起業家どうしの交流会を開催したり、また、コワーキングスペースの運営もおこなっています。

現在、ホームページは持っておらず口コミとSNSだけで利用者が増えてきているという状況です。利用者へ向けてというよりは、協賛企業やイベントの共同開催をするパートナー候補に向けて自社のポリシー等を見てもらったり最新情報を発信していきたいと考えています。

ポイント・注意点

  • この実践ワークはここからリアルタイムで進行します。
    設定した日時は実際のヒアリング実践の日程になります。
  • その後の流れとしてヒアリング当日までにリサーチやヒアリングの準備に取り組んでいただきます。
    そのため、少し猶予をもった日時の設定がオススメです!(実務的にはあまり間を開けないほうがベターですが)

【メッセージに盛り込む内容】

◆ ご相談・ご依頼をしてくださったことへのお礼(手短に)

◆ 打ち合わせ方法の提示、日程候補

◆ 事前情報の依頼

(※メッセージが送信できたら、まずはざっとで良いので次回の内容・流れを確認してもらえるとベターです!)


繰り返しになりますが、実践課題は感覚を掴んでもらうことを一番の目的にしています。

つまり完璧にできなくて全く問題ありません

インプットとアウトプットを同時に進行することが定着の近道なので、「不安があるから始められない」「合格点(ないですが)をもらわなきゃ!」みたいなことを考えずでOKです。

それではこれから頑張っていきましょう!!

目次